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KorosaretaChoYoungNam - * 「殴り殺される覚悟で書いた親日宣言」のチョ・ヨンナム氏,「仕事が途絶え」「島流し」

目次

「殴り殺される覚悟で書いた親日宣言」のチョ・ヨンナム氏,「仕事が途絶え」「島流し」


お気の毒

実にお気の毒なことである. 「殴り殺される覚悟で書いた 親日宣言」を執筆した韓国の歌手・画家・司会者・執筆家の チョ・ヨンナム(趙英男)氏は, 文字通りに殴り殺されはしなかったものの, 社会的には抹殺されてしまったようだ.

この本を読んだ当時の感想は,たいした内容の本ではないし, この程度のことで殴り殺される覚悟というタイトルを付けるのも, 著者一流のジョーク,反語表現にすぎないと思っていたものである. ところが,今日,たまたま別の本(cf. 追記1)を読んでいたら,この本と著者について触れている箇所があった. なんと,本当に社会的に抹殺されてしまったようなニュアンスである. あわててネットで検索してみた. 当時は気にもとめていなかったが,あちこちで話題になり,報道もされていたようだ.

経緯を眺めてみる.

2005.1.19 の韓国語版発売時には,非難はあったものの,ひどい騒ぎではなかったようだ.

「日本を馬鹿にする国は地球上で韓国しかない」 http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/01/19/20050119000022.html

それが,日本語翻訳版発売に合わせて産経新聞が 2005.04.25 に載せた記事が「マッチ・ポンプ」で火がついた.

趙英男氏「冷静に対応するなら日本の方が一段上」 http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/04/25/20050425000014.html

靖国神社に行ってみたのを「参拝」と報道されてしまったのだ.

<インタビュー>「独島対処、日本が一段上」、波紋広がらせた趙英男氏 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=62890&servcode=700&sectcode=700

通訳の日本女性も困惑したそうだし,産経新聞も訂正記事を載せたのだが,後の祭り. 司会者としての息の根は止められた.

趙英男氏、KBS「体験、生の現場」の司会やめる http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=62918&servcode=700&sectcode=700

さらに,本業の歌手としても,タコなぐりにあっているようだ.

趙英男氏「親日発言を深く謝罪」 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=64627&servcode=400&sectcode=400

2005.07.15 の記事では,すっかり仕事を干されてしまっている様子が見受けられる.

「日本が韓国より一枚上手」発言めぐる波紋の後会った趙英男氏 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=65625&servcode=700&sectcode=710

筆者は韓国では歌謡曲歌手として重鎮の一人らしい. また,言行でいろいろと物議を醸すことの多い人らしく,表現が過激で冗談と受け取られないことも多いようだ. 本の中でもビートたけしのことを監督・性格俳優として意識している箇所があるのだが, チョ・ヨンナム氏の文を読んで,私は毒舌家としてのたけしを連想した. こういう人の物言いが少々曲がって伝えられても, 目くじらを立てるほどのことではないと思うのだが.... 韓国では受け入れられないらしい.

題名や目次,表面的な内容を見ると過激なのだが, 実際に言いたいことを読み解くと,内容自体はいたって穏便なものである. 2002年のサッカーワールドカップ共催のときにたまたま日本にいて, 日本のサッカーファンが韓国チームを応援しているのを見たそうだ. それをコラムで感謝を表明し,「親日宣言」した. それが日本の目にとまり,招待されたときに, 軽い気持ちで靖国神社を見に行った. 音楽家としてアメリカ留学経験もあるひとで, 日本に関して,自分の目で見て実体験したことをもとに感じ考えたことを, ひねりを効かせて書いたものだ. 文献資料に依存していない,生の感想である. 韓国国内で一般に思われているのと,日本の実像は違うようだ, 多様な視点で物事を眺め,狡猾な日本に踊らされるな,気が付け..., といったことを同胞に主張したものと思われる.

韓国で「親日」とは「売国」ということ. 現実問題として,こと日本に関しては,多様な意見や視点は認められていない. 約20年前,呉善花 氏が「スカートの風」で韓国に帰れなくなったのと状況は同じ. 日本人から見れば,そういう見方もあるんでしょうね,というだけのこと. 「殴り殺される覚悟」が必要なほどのことは何も書かれていないのだ. それでも覚悟が必要で,実際に,社会的には半殺しの目にあった.

著名人の中にこのような人が出てきたことは,とてもありがたいことだ. しかし,チョ・ヨンナム氏にはお気の毒なことになってしまった. もっと哀れに思えるのは,このような奇特な人を次々葬り去る側の人達である.

追記1

別の本とは,中岡龍馬「韓国人につけるクスリ」である. 韓国に関する手元の本が 15〜20 年前の「現状」しかわからず, 近所の本屋にあった一番新しそうな,見たまま感じたままの韓国の現状 の本を買ってきた.

ブログの書籍化だそうだが,サイトは「身の危険があるため閉鎖」だそうだ. 韓国在住で日本語教師をしていたそうだが, この本が韓国のメディアで紹介されて,身を隠そうとのこと.

ブログ名: 「今だからこそ… 韓国斬り!!」. http://christopher2005kor.seesaa.net/ (閉鎖中)

References


(2006.01.24 librarian)