夏のせいではないが、バテて休養中。
録画したビデオをボーッと見ていた。 「Uボート」("Das Boot")の艦長(への呼びかけ)が、字幕で「大尉」になっている。 ドイツ語でよくわからないが、英語風の発音にするとキャプテンと聞こえる。 Captain は陸軍では大尉だが、海軍では大佐または艦長ではなかったかなと思って、web での調べ物に突入。
結論としては、Uボートの艦長は大尉でよいらしい。
http://www.u-96.net/cgi/bbs/bbs01.html の 47 に、 「(艦長は)Herr Kaleuntと呼ばれています。… herrとは英語のMr.に相当し、Kaleuntは「海軍大尉」のドイツ語である Kapitaenleutnant(カピテンロイトナント)の略称です」 とある。(ae はエー・ウムラウト)
軍の階級は国や時代などの対応関係が複雑でいろいろな訳しかたがあるので、Kapitaenleutnant が大尉でよいのかという問題もあるが、 どうやらこれも一般的には大尉扱いのようだ。
大尉が奇異に感じられたのは、艦長は左官だろうという思いこみと、冒頭での軍服の袖が3本線だったことによる。 海軍で3本線だと、一般的には少佐か中佐くらいのことが多いのではないかと思う。 1本多い4本線だと「大佐」か民間の「船長」、2本線だと尉官の感じがする。
肩章では、たしかに尉官の仲間なのかなと思える。 ( http://www.uniforminsignia.net/index.php?p=show&id=100&sid=579 )
軍隊(に似た)組織での階級名が気になりだしたのは、 スタートレックからだろうか。 翻訳する人によって日本語での階級が違っていたり(lieutenant:少尉〜大尉 に顕著)、 captain が艦長か大佐かわからなかったり、 日本語であまり使わない准将が頻繁に出てきたり。 その後SFをいろいろと読むうちに、 ミリタリーSFとよばれるようなものでは作品によって対応する訳語がいろいろ工夫されていていることがわかってきた。 「宙尉」などという語はよく目にするように思う(もとの語不明)。 宇宙船は船になぞらえて海軍に準じた名称が多くなるが、 空軍になぞらえたり陸軍だったりすると、captain が大佐(艦長)ではなく大尉になる。 軍でなく警察だと、lieutenant は警部補。刑事コロンボは警部でなく警部補になる。 制服の階級章が気になりだしたのは機動警察パトレイバーからだろうか。 階級の呼び方が複雑怪奇だが、日本語のように軍隊の士官には将・左・尉に大・中・小を付けるという整然とした方法のほうが特異のようである。