うちの固定電話(FAX)にかける方が Yahoo BB ユーザの場合，着信できていませんでした． 相手方の電話では延々呼び出し音が鳴り続けていますが，当方には全く着信せず，呼び出し音も鳴らなければ着信履歴もありません．
自宅で Yahoo BB の新しい ADSL モデムを使い始めてから，状況は何年も続いていたはずなのですが，当方の設置ミスに気がつきませんでした． 最近，実家(Yahoo BB)の新しいFAX電話機からFAXが届かないことから事態が把握できました． 現在は Yahoo BB ユーザからの固定電話も着信可能になっているはずです．
Yahoo BB の比較的新しい ADSL モデムには IP 電話機能（と電話番号）が標準（強制）で付いてきます． サービスの始め頃のモデムはそのような機能は外して使うことができたのですが， 最近のものでは必須になっています．
発信時に 0000 をダイヤルすることで，ADSL モデムに対して Yahoo BB の IP 電話ではなく通常の(NTT)回線を使えと命令できるのですが，これがかなり面倒です． 手持ちのFAX電話機では登録電話番号の頭に付加番号をつけることができないので， 0000, 186, 184, 0036, 0033 などがいるときは，番号全桁をその都度手で押さなければなりません． 0000 を頭に付加しないと，相手への通知電話番号が Yahoo BB が勝手につけた 050 で始まる番号になってしまいますし，何かと面倒です． IP 電話なんかいらないと思うものの，Yahoo BB と契約すると，ほとんど強制的に付与される機能です．
それで，技術的にどうにかしようと，ADSL モデムの前にスプリッタを入れて，電話線と ADSL 線を分け，スプリッタからの電話線を FAX 電話につないでいたのでした．
本来の接続方法： https://ybb.softbank.jp/support/connect/adsl/modem/t12m.html
モジュラージャック（電話線差し込み口） ── ADSLモデム ┬─ 電話機(FAX) └─ パソコン実際に使っていた接続方法： https://ybb.softbank.jp/support/connect/adsl/modem/adsl.html
モジュラージャック（電話線差し込み口） ── スプリッタ┬─ 電話機(FAX) └─ ADSLモデム ┬─（電話未接続） └─ パソコン
こうすると，電話は NTT 回線経由となって，発信者番号は常に NTT から割り振られた固定電話番号になり，かかってきた電話も NTT 回線で受けられる…はずでした． Yahoo の IP 電話の 050 で始まる番号は誰にも知らせなければよい，と．
が，盲点がありました． 推測ですが，Yahoo BB の仕様では，電話の発信者と受信者がともに Yahoo BB の契約者である場合， Yahoo BB の IP 電話の 050 番号を使わずに NTT の電話番号で電話しても， Yahoo BB の IP 電話の回線で ADSL モデムを経由して電話をつなぐ仕組みになっているようです． つまり，ずっと実際に使っていた接続方法では，ADSL モデムにある電話機用の未接続の線だけにYahoo BB ユーザからの電話が着信していたわけです．
なんてこったい．
ということで，とりあえず，正規の接続方法になおしました．
電話機は常時留守電モードにしてあったので，しばらく呼び出していれば応答メッセージが流れたはずです． そうではなく，ずっと呼び出し音が鳴り続けていた方がいらっしゃったら，それは通じていませんでした． ごめんなさい．
ちなみに，ADSL モデムと電話機には相性があるようで，0000 を頭につけるときは，0000 で電話回線が NTT に切り替わった気配を感じるまで待ってから相手先番号をダイヤルしたほうが無難です． Yahoo BB の ADSL モデムは 0000 に連続して電話番号があると，0000 を無視してしまう傾向があります．
電話と FAX は IP 電話からでも通じるようになったはずですが， やはり，0000 は面倒． 電話機(FAX) でダイヤルする直前に，ADSL モデムに 0000 というコマンドだけ別途で送れないものか．
それで考えました． 昔，家に複数の電話が並列接続されていて，話し中に電話機を切り替えるときは，切り替えたい先の電話機の受話器をあげて話し中にして，その後でもとの電話機の受話器を置いていました． どれか一台の受話器をあげた状態にしておけば電話が通話状態に維持されていたんですね． この状態では，秘話機能はありません． 電話がかかってくると，それぞれの電話機の呼び出し音が響いて，一番近い電話機をとっていました． このごろはワイヤレス子機というものがあるので，家ではほとんどこんなことはやりませんね． 電話線の接続方法は，ただの並列つなぎです． 単純に二股になったモジュラージャックが安く売っているので，それを入れるだけです．
ただし，「ナンバーディスプレイ」契約回線で，ナンバーディスプレイ機能がある電話を並列につないでしまうと，どの電話のナンバーディスプレイが働くか分からない（誤動作する）ので，並列につなぐことはできないようです． でも，一台をナンバーディスプレイ対応電話，もう一台を非対応のシンプルな電話にしておくと大丈夫という話が web にあります．
─ ADSLモデム ┬─ 分配機（二股） ┬─ ナンバーディスプレイ対応の FAX 兼用留守番電話機 │ └─ 電話機（電源不要） └─ パソコン
やってみました．うまくいきそうです． 外部電源不要で電力を電話線から取るシンプルな電話と，ナンバーディスプレイ対応のFAX兼用留守番電話とを並列につなぎました． 携帯電話から家の固定電話に電話すると， 先ずシンプルな電話の呼び出し音が鳴り始めます．そのときナンバーディスプレイ対応電話のナンバー表示が始まり，しばらくしてからナンバーディスプレイ対応電話の呼び出し音が鳴り始めます． 今まで呼び出し音が鳴る前に，「あ，電話が来る」と気配を感じていたのは，このためですね． この状態で，普通に電話をかけられました．
さて，実験． この接続状態で，まず，電源不要の電話機で 0000 をダイヤル． 回線を切らないようにして電話機を切り替え，ナンバーディスプレイ対応電話の電話帳からケータイに電話． 0000 をダイヤルした状態で NTT の電話番号が表示されました． 一応，うまくいったようです．
もうちょっと高級な機器でも入れれば， 0000 の自動化もできそうですが， 今日はここまで．