マキシマ文庫

L. M. ビジョルド作「マイルズ・ヴォルコシガン/ネイスミス」シリーズ

ものがたり

(以下,ネタばれ.)

時は未来,ワームホール・ジャンプで宇宙に人類が進出している頃.

遺伝子操作や実用的な人工子宮の技術により, 無重力に適応したクァディーと呼ばれる人類や両性具有の人類が作り出されています. クァディーは時を同じくして先進惑星ベータ・コロニーで開発された人工重力によって存在意義を失います. (「自由軌道」)

その2世紀後,とある辺境の惑星バラヤーでは, ヴォルを名前に冠する戦士貴族階級による軍政がしかれていました. 老皇帝エザール・ヴォルバーラは自らの死後を憂い, 侵略戦争を装って大粛清を行います. それに巻き込まれたのが, ベータの天文製図技師コーデリア・ネイスミス中佐(のちに大佐)と, バラヤーのアラール・ヴォルコシガン大佐(のちに准将)です. ふたりは惹かれあい,バラヤーで結婚します. そして,エザール皇帝はアラール・ヴォルコシガン卿を, 孫で世継ぎのグレゴールの摂政に指名します. (「名誉のかけら」)

皇帝の死後,ヴォルコシガン卿がバラヤーの実権を握ります. これに対し,ヴォルダリアン国主は帝位を簒奪しようとします. ヴォルコシガンの暗殺を謀った毒ガスを浴びた妊娠中のコーデリアは, マイルズを人工子宮内で治療することにします. (「バラヤー内乱」邦訳初版 2000.12.25 )

骨がもろいという後遺症を背負いつつも17歳に成長したマイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンは士官学校の入学試験に失敗します. 母の実家ベータに旅行に行ったマイルズ・ネイスミスは,旧式の貨物船を手に入れ,荷を運ぶ過程でデンダリィ傭兵隊をでっちあげることになってしまいます. (「戦士志願」)

士官学校を卒業して一時帰省したマイルズは, 故郷にはびこるミュータント忌避による嬰児殺しの事件を解決します. (「喪の山」:「無限の境界」に収録)

マイルズの配属希望は宇宙艦隊. しかし,孤島の訓練基地の気象観測士官として任務をこなせるかどうか試されます. 半年間過ごせば,最新鋭艦に転属を認めようということで.... もちろん,マイルズが大人しくしているわけがありません. 機密保安庁長官のシモン・イリヤンの監督の下におかれてしまいます. 折しも,ワームホールの出入り口が集まるヘーゲン・ハブが情勢不安定となり, デンダリィ傭兵隊も一枚噛んでいることが判明, ネイスミス提督として3年ぶりに傭兵隊に接触します. (「ヴォル・ゲーム」)

マイルズは従兄弟のイワンとともに, バラヤーの宿敵ともいえるセタガンダの国葬に赴き, セタガンダ貴族のゲノム争奪の陰謀に巻き込まれます. (「天空の遺産」) (Update: 2001.12.30)

デンダリィ傭兵隊はバラヤーの秘密部隊として, ヴォルコシガン中尉=ネイスミス提督のもとに作戦を実行します.

たとえば,悪名高いジャクソン統一惑星から遺伝子学者を亡命させます. (「迷宮」:「無限の境界」に収録)

たとえば,セタガンダの独創的な球形の捕虜収容所から一万人を脱走させた, ダグーラ作戦. (「無限の境界」)

ダグーラ作戦に怒ったセタガンダから追われてたどり着いた地球では, コマール人レジスタンスが作ったマイルズのクローンと対面します. (「親愛なるクローン」)

そのクローン,もとへ, マイルズ曰く 兄弟 のマークはデンダリィ隊の部隊を率いて, クローン製造業者を潰そうとします. しかし,マークは失敗,救出に向かったマイルズも死んでしまいます. 戦闘のさなか,マイルズの低温保管器が行方不明に. マークはマイルズを探しだそうとします. (「ミラー・ダンス」)

そのほかのエピソードは...現状では,原書を読むしかありません.

Update: 2002.10.07 (履歴)
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